億近い借金を抱えながら、常にテンションMAXの夫婦漫才コンビ、太平かつみ・尾崎小百合。現実逃避か、はたまた2人してほんまにおかしくなっての「ぼよよ〜ん!」なのか、どっちにしても面白い。特に嫁の小百合ちゃんに至っては、何の因果か音大出の宝塚歌劇に憧れるお嬢様で、ほんまやったら何の苦労もせんと生きていけたのにも関わらず、惚れた男がたまたま、借金抱えた漫才師やったっちゅう、極道よりもタチの悪いもんに引っ掛かったばっかりに、気がつけば自らも漫才師としてNGKの舞台に立って、身を削って夫の借金返済にいそしむっちゅう、21世紀をリアルタイムで生きている女性の人生とは思われへんような人生を送っている。持って生まれた育ちの良さからか、窮地を尋常じゃないポジティブ思考で乗り切る小百合ちゃん。積極的な軽薄さの太平かつみ。そんな現状を打破し続ける2人のアホアホパワーに魅せられ、湿りっけのない夫婦善哉を一目だけでもと、拝みたくなるのか、この夫婦がイベントをすれば、客が押し寄せ記録をつくる。

 昨年2月22日に初の冠イベント『アツアツふうふう』ではワッハ上方の観客動員記録を大幅に塗り替え、そしてその1年後の今年2月22日には、デビューから1年半という、NGK史上最短でのソロライブイベント、タイトルもそのまんまの「ぼよよ〜ん」が行われた。これがまた、大入り満員、立ち見御免の大盛況。会場の雰囲気も小百合ちゃんグッツが並ぶ出店が出るなど、お祭りモードバリバリで、ゲストに水野真紀さんを呼びぃの、チャンバラトリオが出て来てハリセン飛び出しぃの、結婚式の2次会でもないのにビンゴゲームやりぃのと腹こわしそうなぐらいのテンコ盛りの内容。そしてクライマックスには、ホームページで募集していた太平かつみ・尾崎小百合の新しいコンビ名を会場に詰め掛けたお客さんの投票だけで決定するという後先考えん企画。緊張の中その新しいコンビ名は「かつみさゆり」と発表。は2人の近況によってヒビが入ったり、2つに割れたりと変化するらしいから、これからも注目です。そしてイベント最後にさゆりちゃん、あまりにも多く詰め掛けたお客さんに号泣しながら三つ指ついての感激の挨拶。古風な感謝の表現にお客さんは泣き笑いの拍手で答えるのでした。

(マンスリーよしもとH14.4 P59「田頭テリヤキのお笑いスーパースター列伝」より)